CAFC rejects the 25% Rule of Thumb as a Fundamentally Flawed Toll in Reasonable Royalty Calculation (Available only in Japanese)

米国連邦巡回控訴裁判所(CAFC)は1月4日、米Uniloc USA Inc.と米Microsoft Corp.の事件(Fed. Cir. January 4, 2011)において、特許侵害裁判の損害賠償基準として多く使用される「25%ルール」が基本的に瑕疵(法的に欠陥)がある 算定ツールであるとの決定を下した。 「25%ルール」は、製品の知的財産権の価値が、その製品に期待される利益の25%とする基準である。 特許の使用を希 望する者が仮想的交渉(hypothetical negotiation)において特許所有者に支払っても良いと考える合理的ロイヤルティ概 算のベースとして使用されてきた。 このルール を擁護する側は、この「25%ルール」が業界横断的に集められた利益・ロイヤルティ情報を基に生み出されて おり正確である、と主張していた。しかしながら、今回CAFCも述べたように「25%ルール」には以下のような批判もあった。 (1)特許と問題の製品に特有の関係性が考慮されていない、(2)特許所有者と問題の製品の製造者に特有の関係性が考 慮されていない、(3)本質的に恣意的な数値であり、仮想的交渉におけるベースとしてはそぐわない。 Uniloc事件において、CAFCé•· 官であるRandall Rader判事を含む判事合議体(パネル)は、「25%ルール」は各事件に 特有の事実に無関係、恣意的かつ一般的なルールにすぎないとし、その証拠能力を退けた。さらに、パネルは損害賠償算 定に使用する証拠には当該事件の事実・状況、そしてそれら事実・状況、タイミングにおいて行われたであろう仮想的交渉 との関連性が必須であることを強調した。 今回の決定の根拠として、「合理的ロイヤルティ決定にあたり、仮想的交渉において参照される契約と 著しく異なる既 存ライセンス契約内容に依拠してはならない」としたCAFCの近年の判例である米Lucent Technologies事件および米 ResQNet.com, Inc.事件が引用された。「25%ルール」に依拠することは、「Lucent Technologies事件やResQNet 事件で 否定した無関係の既存ライセンス契約への依存よりも、さらに信頼性・関係性を欠く」とパネルは結論づけた。今回の決定 は損害賠償の立証に使用する証拠の性質を厳格にしつつある近年のCAFCの傾向に沿ったものである。  ãªãŠã€Microsoftによる「故 意侵害に関する陪審評決と異なる判決の申し立て(the motion for judgment as a matter of law (JMOL) of no-willful infringement)」を認めた地方裁判所判決をCAFCが支持したこともUniloc事件のポイントであ る。 過 去、Seagate Technologyの事件で、故意侵害を認定するには、特許侵害者が有効な特許を侵害する可能性が客観 的にみて高いにもかかわらず問題の行為をしたことを明白かつ確信を持つに足る証拠を使って特許所有者が立証しなく てはならない、という客観性テストが確立された。CAFCは、Uniloc事件の場合、この客観性テストが満たされていないとし […]

いよいよ電子ディスカバリ規則が公式に始動(1) (only available in Japanese)

米国における知財訴訟実務の最前線 vol.1 いよいよ電子ディスカバリ規則が公式に始動(1) マイケル V. ソロミタ アムスター, ロススタイン&エーベンスタイン法律事務所 パートナー、米国特許弁護士 「IPNEXT」 をご覧の皆様にアメリカからご挨拶申し上げます。このシリーズは、米国特許法に関するさまざまな情報を皆 様にお届けするものであり、日本企業の知財ご担当者様など、知財プロフェッショナルの方々に少しでもお役に立てば幸い です。内容につき、ご質問やご意見等がございましたら、どうぞIPNEXT編集部までお知らせ下さい。また、このシリーズで「 このような内容を取り上げてほしい」というご要望がありましたら、ぜひお聞かせ下さい。では、早速第1回目のトピックに入 っていきましょう。 ã‚‚ し、あなたが米国特許法の改定を普段からチェックしておられるなら、きっと連邦民事訴訟規則(U.S. Federal Rules of Civil Procedure)の電子ディスカバリに関する最近の改定について、すでに多くのことを聞かれたに違いありません。私自 身、2006å¹´12月1日に始まったこの改定について、「特許侵害訴訟における証拠開示手続(ディスカバリ)対応を劇的に変 えることになる」といった多くの記事を目にしました。この騒ぎもあり、今回の改定がわれわれ弁護士の実務や、クライアン トによる訴訟対応に及ぼす影響は今後精査されることでしょう。 実際のところ、多くの場合、この改定は単にこれまで行っていたことを法律とし て定義したにすぎないのです。例えばこの 改定では、証拠開示手続でいう「書類」の定義を「電子的に保存された情報も含むもの」と明確にし、訴訟開始後の早い段 階で代理人たる弁護士同士が電子文書の取り扱い・提出法を討議、決定することを要求しています。しかし改定前から、電 子文書は証拠開示の対象でしたし、相手方弁護士からその提出を求められることも多々あったので、われわれに言わせれ ばこの改定は、すでに行っていた内容にすぎません。また、改定は秘匿特権の対象である電子情報(注1)がうっかり開示 されてしまった場合の問題や、開示すべき電子情報の合理的な基準、電子情報が提出されなかった場合に科される制裁 の考え方など、さまざまなガイダンスを示しています。こうした改定の多くに対応するのは代理人である弁護士ですから、改 定の解釈に企業の知財担当者などクライアントの皆様が懸念されることはないでしょう。 ただし、電子ディスカバリ対応には、実際にクライアン トの皆様にご理解いただかなくてはならない重要な点が2つあるの です。1つは、こうした改定に対応するには、まず弁護士が自分のクライアントの電子情報について十分な知識を得る必要 があるため、訴訟開始後、早い段階で自分の弁護士にどのような電子情報がどのような形で保存されているかを詳細に伝 え、理解させることが非常に重要です。例えば、自社のIT担当者と弁護士が円滑なコミュニケーションを行えるようにする 必要があります。それは、知財担当者が、弁護士とIT担当者による、保存されている電子情報の詳細を討議するための電 話会議を早急に設定する、または、知財担当者がIT担当者と討議の上、その内容を弁護士に伝える、ということでもかまい ません。 2つ目 は、クライアントが訴訟開始前、そして特に訴訟開始後、電子データを適切に保存することが重要だという点です。 そして、そのデータ保存や管理が、クライアントの業界の常識から外れていないかを正しく理解するための、IT担当者と弁 護士を含めた討議も必要となるでしょう(注2)。なお、改定では「具体的にどのように電子ディスカバリを進めるか」につい て原告・被告の両当事者に裁量を与えています(ただし、最終的に裁判所にとって受容できる内容であることが条件です) 。ですから、この電子ディスカバリ規則の影響はケース・バイ・ケースであり、極端に影響が出るケースもあるかもしれませ ん。とにかく、電子情報の有無・所在や具体的なデータベース仕様などを早期に自分の弁護士に伝え、理解させることが、 訴訟において電子情報の取り扱いを正しく、計画をもって進めるための重要な鍵であり、ひいてはこれが訴訟を成功裏に 終わらせることにつながるのです。 「連邦規則の変更」について ご 存知のように、米国では広範な「ディスカバリ」に関する連邦規則が定められており、書面による質問(「質問状」 (interrogatories))への回答や証人による証言の提供(「証言録取」(deposition))などと併せて、訴訟の両当事者が争 […]